無住心言術道場第27回

無住心言術道場第27回「分子生物学的視点からの表現形としての医療分野での疾患と、根本原因の遺伝子の変異型」今回も、難題ですが、無住心剣術の精神で針屋忠道、突貫します。
 私の手元にある、「Life」の第11版のダイジェスト版の日本語訳ブルーバックス「アメリカ版新大学生物学の教科書」全三巻では、「生物の外見に現れる形を表現型と呼ぶ」とする定義が、第二巻の93ページの下の方には書かれている。表現形は、野生型と変異型が存在する。
 今回の要点は、生物学的な視点からの分子遺伝学から、医療分野での、治療の対象となる疾患が、同じ診断名で、あっても、分子生物学の立場から、複数の要因に基づく形で、形成されている可能性の問題の提起である。

カテゴリー化を試みると、
 1、老化のように、通常の遺伝子のプログラムに従って生じる。野生型の疾患。
 2、後天的に、生じる、疾患。
 3、先天的に遺伝子の変異型が原因で、生じる、疾患。
である。
 診断名として、同じ疾患で在っても、原因が、遺伝子の変異型が原因で、発症する遺伝性疾患のカテゴリー化の課題が考えられる。
 一つの疾患の診断名が、必ずしも、「一つの遺伝子の変異型だけではなく、他の要因に起因する類似した表現型」も含めて考える流れが、今後は分子生物学的な立場からは考えられる。
 従来、診断名が一つに固定されていた、複数の要因から成立する、疾患を、どのように今後考えていくのかが、課題であると考えられる。
 従来は、「生物の外見に現れる形を表現型」とする定義が、生物学と密接な関わりがある医学の分野でも同様で在ったと考えられる。
 今後は、分子生物学的に、野生型と変異型の分類、潜性遺伝としての変異型が含まれるアレル(対立遺伝子)の考え方も、疾患の診断名のカテゴリー化を行う際には必要だと考えられる。
 例えば、遺伝的な癌と、後天的に発生する癌は、同じ「生物の外見に現れる形を表現型」とする定義では同一である。
 だが、今後は、遺伝的な癌と、後天的な癌だけでなく、他の様々な、医学が対象とする、疾患のカテゴリー化と定義を行う場合。
 異なる要因に基づく疾患に応じて、適切な医療行為が為される目的を達成するためには、分子生物学的な、立場からの分子医学の発展が、今後、生成AIの助けを得ながら発展していくと考えられる。
 従来は、遺伝性疾患は、根本的な要因となる遺伝子の変異型を野生型に戻すことが出来ない理由から。症状を緩和する事しかできない現状があったと考えられる。
 だが、この様な、行き詰まりのブレークスルーは、現在ヒトゲノムが全て解読され、量子コンピュータの実用化前夜の現在。分子生物学的分野の研究への生成AIの導入の過渡期である現在の状況を踏まえて、近い将来に好転すると考えられる。
 では今日は、この辺りで、筆を置きましょう。


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