無住心言術道場第28回「日本の経済で、何が問題か。政治的なエリートの役割と国民」今回も、難題ですが、恐れず怯まず、無住心剣術の精神で針屋忠道、突貫します。
現在の日本は、政治的な混乱期である。
基本的に、日本の政治では天皇制の「権威」と、政治的な権力者の「権力」は分離される形で、現在まで続いていると考えられる。
だが、日本で特徴的な点は、政治的な「権力」は常に、天皇制の「権威」を必要とする点では、「権威」が「権力」に優越すると考えられる。
日本では、社会主義者が嫌われる理由は、日本の「権威」も「権力」も必要でないと考える、思想的な背景が、傾向として存在するからであると考えられる。
現在、日本では、「権力」を持つエリート層の凋落が著しい現状であると考えられる。
理由は、「現在の「権力」である日本国政府は、国民に仕事を与えられず、メシを食わせられない」。この短い文章で、現状の全てに近い大部分を語ることは可能であると考えられる。
現在の、日本人の主食の、白米の値段が、昨年の短い期間で、約二倍に高騰した。奇妙な現象が存在する。
この現象は大問題であると考えられる。
仕事が無くなるだけではなく、米の市場価格が高騰し、エンゲル係数が上がるか、経済学的な代替財としての、小麦製品を炭水化物の摂取に際して米の代わりに食べるような状態であると考えられる。
このような状況の中であるが、昨年は、緩やかなインフレーションの結果としての、日本の中央銀行のマイナス金利政策は解除され、金利が在る時代に日本経済は復帰している。
物価上昇率と、ほぼ同じペースで、賃金が上昇する流れは、経済史的には、標準的な状況であると考えられる。
だが、米の市場価格の高騰は、短期間で一気に二倍近くになる異常な状況である。
従来の日本国内で流通する、米の市場価格が過小評価されて安すぎる形で低かったのか、カルテル的な米の市場価格の引き上げの動きなのか、などの要因は、後の世代の日本経済史の研究者達が明らかにするテーマであるとは考えられる。
では、本題へ。先の定義の「逆」である。「現在の「権力」である日本政府の政治的なエリート達は、国民に仕事を与え、メシを食う事ができるようにしなければならない」。この文章の内容が現在の「権力」である日本政府に求められる状況であると考えられる。
だが、戦前の軍国主義では、経済的な困窮である、世界恐慌、そして昭和恐慌を背景として、停滞した日本国内の経済を動かすために、軍事物資を生産する事で、経済を動かす必要があった。だが、その考えは間違いだったと考えるべきである。当時、世界的なヒーローになったガンジーの登場で、陳腐化していた帝国主義に、日本は拘泥した結果としての侵略戦争を行っていた歴史的な事実があると考えられる。
私は、ガンジーもチャーチルも尊敬しているので、英国の人は安心してください。
現在に生きる、良識のある日本人達は、「他山の石」としなければならない過去の世界大戦の過ちの記憶は、肝に銘じるべきであると考えられる。
現在の日本は経済を動かす必要がある点では、過去の第二次世界大戦前夜と同じ状況で在る。だが、日本は、過去に比べて、技術的なインフラは、科学技術と学問の発達によって昔よりも遙かに蓄積されている。経済規模も悪くないポジションであると考えられる。
現在の日本の課題は、日本発のベンチャー企業の殆ど全てが、国際的な競争で簡単に負けている情けない状態の抜本的な改善であると考えられる。
私の研究テーマの一つは、生涯学習や、リカレント教育、リスキリングでの、後天的な学習である。私は自身の経験から、誰でも、後天的に、学問は、できると考えて居る。
日本では、熟練工と非熟練工に分ける教育が、産業革命期から続いてきた結果としての現在。勉強が嫌いな人達が多い状態であると考えられる。
この状態の改善も、日本では必要である。
日本の経済が動かない理由は、経営学の泰山北斗である天才経営学者マイケル・ポーター教授のクラスター理論と、国際経済学の視点の組み合わせから容易に説明を行う事が出来る。
では、今日は、この辺りで、筆を置きましょう。
無住心言術道場第28回
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