無住心言術道場第29回「日本の経済を動かせ!クラスター理論と国際経済学の視点から説明するリージョン(地域)の経済が動いている状態」今回は、正念場の超難題ですが、恐れず怯まず、無住心剣術の精神で針屋忠道、突貫します。
なぜ、日本経済が動かないのか。この問題は、右翼や保守の突出した方々は全て中国の責任に押しつけますが。
実際には、日本では現在、産業のクラスターが機能していない状態。中国は産業のクラスターが、現在ある程度機能している状態。
と考えられます。
経営学の天才経営学者マイケル・ポーター教授は、クラスター理論を提唱しています。この理論は、基本的には、産業を担う「企業」の集積地であるクラスターは、ある製品のカテゴリーでは、国際的な競争力を持つという考え方です。
経営学で代表的なクラスターは、シリコンバレーのテクノロジーとイノベーションやトスカーナ地域の革製品。が代表的な題材とされます。
国際経済学的な視点では、日本は、現在、クラスターが機能していないと考えられます。冷戦終結近くまでは、日本は、戦後の高度成長期の期間中に、産業のクラスターは日本各地に存在して居ました。
良い時代と、戦後のノスタルジーに浸らずに、現実的に、考えましょう。当時は、国際貿易で世界商品として扱われる、安くて品質が良い昔の日本車という経済学的な、世界商品である「財」製造するクラスターが存在します。そして、日本の戦後には、旧財閥系も含めて、日本製の家電が世界中を「メイド・イン・ジャパン」として席巻していました。この日本製の家電という世界商品の「財」を生産するクラスターも日本国内に存在しました。
このような日本の戦後の高度経済成長期の経験は、世界中の国々が、尊敬や憧れを持ったと考えられます。
ですが、日本的な戦後の重商主義が、効果的であった理由から、研究はされています。マイケル・ポーター教授のクラスター理論は、必ずしもアメリカ人だけが学ぶ事が可能な理論ではありません、英語の識字能力を持っていたり、翻訳されたテキストを読めば、世界各国の人達が学習できます。
中国は、クラスター理論に基づき、産業を形成した結果として、世界の工場的な地位を得ていると考えられます。
このクラスター理論の、重要性は、「産業の集積地として機能」だけでは在りません。具体的には、クラスターが存在する、地域(リージョン)の経済全体を動かすと考える事が出来ます。
Facebookの連載では日本の「風が吹けば桶屋が儲かる」の、たとえ話を用いて説明しました。昔の日本の家電のクラスターを例に出しましょう。この家電の工場がある地域は、工場で雇用されるブルーカラー労働者とホワイトカラー労働者の雇用だけでありません。この工場の近くで経営する飲食店、様々な店舗、労働者が生活する不動産、工場の制服をクリーニグするクリーニング産業、流通小売業、通勤の鉄道やバスなどの、産業集積地であるクラスターでは、様々な経済活動が行われて、「経済が動いている状態」。別の類似した言葉では「経済が回っている状態」が発生すると考えられます。
この状態は「経済の好循環が発生している状態」と定義が可能だと考えられます。
現在の日本は、冷戦後のグローバル化の流れの中で、生産拠点は、安価な労働力を必要とする傾向から、海外への工場の移転が進みました。理由は、価格競争力を維持するためには、安価な労働力がある海外へと、工場を移転する必然性が存在したと考えられます。
歴史の後知恵としての皮肉な目で見れば、「経済学的な合理的な経済人の思考」と揶揄することも可能ですが。
現在の日本で経済が動かない理由は、産業のクラスターが成立せずに機能しない状態が考えられます。
今回の要点は「日本の経済を動かす」目的には、地域(リージョン)の経済が産業に付随して動いている状態が不可欠である。
と、定義を行う事が可能であると考えられます。
ですが、昔の高度経済成長期を支えた、高精度な部品を作る町工場や、現在は100円ショップに代表される形で輸入品となった、安価な日本製の文具などの「財」を製造する、日本の零細産業が危機的な状況であり、廃業も発生している状態が問題だと考えられます。
理由は、後継者不足という詩的な理由では無く、実際は、コンピュータ制御の工作機械の使用能力が大きい場合も考えられます。
基本的には、外国製のコンピュータ制御の工作機械には、外国語のマニュアルと、コンピュータの知識が必要とされる形で付随すると考えられます。電子化されたマニュアルは、現在の2025年ではGoogle翻訳や、大規模言語モデルの生成AIで翻訳が可能ですが。
この辺りのリスキリングに相当する教育上の課題はFacebookで連載した15回シリーズの「地域創生」「日本創生」で論じています。
この文章自体は、マクロ経済学と、ミクロ経済学の双方を使う複眼的な視点で書かれています。
情報処理経済学のテーゼは単純です「マクロの経済は、ミクロの経済の総和で成立する。この命題から全ての経済活動は電子通貨に移行した時点で計算可能である」となります。
今後、「日本経済を動かす目的では、必ず輸出産業のクラスターが必要になる」この命題を忘れないでください。
では、今日は、この辺りで、筆を置きましょう。
補筆、最近は「無住心言術道場」では、生成AI使用が書かれてませんが、殆ど全てで大規模言語モデルの生成AIのCopilotを使用して、覚え間違いや、勘違い、確認作業などを行っています。
無住心言術道場第29回
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